第53回ビワコ・カインド・レガッタ(2026/8/30)

⇒NHKの取材を受け、当日夕刻放映されました(NHK ONE)

以下入手次第紹介いたします。
⇒京都新聞記事(8/31)
⇒中日新聞記事(8/31)
⇒読売新聞記事(8/31)

多彩なディンギーが琵琶湖を駆ける、53年の歴史あるヨットレース

8月30日、大津市の柳ヶ崎ヨットハーバーで「2026年びわこカインドレガッタ」が開催されました。1973年に始まった歴史あるヨットレースで、今年で53周年を迎えます。
(レポート・写真提供/水上真吾・レース委員長)

「びわこカインドレガッタ」は、異なる種類のディンギー(小型ヨット)が一斉にスタートし、艇の全長やセール面積などから算出したハンディキャップをもとに、フィニッシュまでの所要時間を修正して順位を決定するユニークなレースです。

今回は一般クラスとOPクラスの2クラスで実施。一般クラスには11艇種・50艇、OPクラスには9艇が参加し、さまざまなタイプのヨットが同じ水面を競い合いました。

第1レースは11時にスタート。南西から約8ノットの風が吹く中、風向がシフトする難しいコンディションでのレースとなりました。第1マークを回航するころから徐々に風が弱まり、レースは長時間に及びました。

ターゲットタイム45分に対し、トップ艇のフィニッシュは75分。トップ艇のフィニッシュを基準に設定されたタイムリミット内にフィニッシュできず、7艇がDNFとなりました。

続いて行われた第2レースも南西の風でスタート。第1レースからコースを縮小して行った結果、トップ艇は46分でフィニッシュ。タイムリミットにより、1艇がDNFとなりました。

今回のレース運営では、気象状況への対応が大きな課題となりました。当日は福井県を線状降水帯が通過するなど不安定な気象となり、滋賀県全域にも雷注意報が発令されました。レースを予定どおり行いたいという思いがある一方、安全を最優先しなければならないという難しい判断を迫られます。レース委員会では雨雲レーダーを常時監視し、風や雨雲の動きを確認しながらレースを運営しました。

近年、気候変動による気象の激しさを身近に感じる機会が増えています。ヨットレースも例外ではなく、競技を成立させることと安全を確保すること、その両立がこれまで以上に重要になっています。

一方で、びわこカインドレガッタには、もう一つ大切な役割があります。それは、琵琶湖で育まれてきたヨット文化を次の世代につないでいくことです。

琵琶湖は、これまで多くのジュニアセーラーを育ててきました。今回もOPクラスのレースを実施し、ジュニアと一般のセーラーが同じ大会に参加しました。小学生から70代まで、幅広い年代のセーラーが集まり、お互いの活動を知り、交流できることも、この大会の大きな魅力です。

「ジュニアなくしてヨットの将来はない」。

その意味でも、ジュニアセーラーが一般のセーラーと同じ大会に参加し、セーリングを通じて交流する機会は大切です。

また、主催する琵琶湖ヨットクラブを象徴するヨット「EZ-1」も、この大会の歴史を物語る存在です。現在ではほとんどの艇がFRP製のハルとアルミ製マストになりましたが、EZ-1は今なお木造ハル、木造マストを持つ貴重なヨットです。長い年月を経てもセーリングを続けるその姿は、琵琶湖のヨット文化そのものともいえます。

ヨット文化を次の世代に伝えていくためには、競技として技術を磨くことだけでなく、世代や艇種を越えてセーリングを楽しみ、交流することが欠かせません。

同じ規格の艇で順位を競うレースとはまた違い、さまざまな艇種が同じスタートラインに立ち、それぞれの艇の個性を生かして競い合う「びわこカインドレガッタ」。そこには、勝敗だけではない、ヨットそのものを楽しむ文化があります。

53年にわたって続いてきたこの大会が、これからもジュニアからベテランまで、世代と艇種を越えたセーラーをつなぎ、琵琶湖のヨット文化を未来へ引き継ぐ場であり続けることを願っています。(SM)

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